以前にも何度かお着付けをさせていただいたお客様から「主人の母が亡くなってお葬式に喪服の着付けを5人お願いできませんか?」とのご依頼が有りました。
これまではお嫁さんが来られてのご挨拶まわり、お孫さんのお宮参りとかお喜び事の時にご依頼でしたが、今回をお断りするわけにはいきません。
9時半仕上げとの事でしたので、早朝7時半からご自宅に出張着付けに伺いました。
ご親戚の方お二人を先にすませ、奥様、その次にお嫁さんの番になりました。
今回が初おろしになり、「しつけ糸は取っていただいてますか?」と伺うと、「ハイ取りました。でも袖回りの小さな糸も取りかけて、なんか変だなぁ・・・と思って調べたら、これは取らなくていいものなんですね!飾りのステッチなんですね。でもやはりしつけの一種なので、宮中に参内する時は外さないといけないんですって・・・」とおっしゃって下さいました。
ママのその事は初耳でしたので、お嫁さんのお陰でひとつ賢くなりました。
宮中に参内する事は一生無いと思われますが、着物にかかわる者として知識が増えたのは良いことです、有難うございました <m(__)m>
最後は他家に嫁いでおられるお嬢さん、お二人とも初めての喪服だそうです。次に着られるのはいつの事かわかりませんね・・・脱がれた後のお手入れをきちんとなさってくださいね。
若い方の振袖姿や訪問着はもちろん華やかで素敵ですが喪服姿も凛としていい感じでしたよ。